その名の通り英国気質のサウンドとスマートなルックスを備えた高性能MCカートリッジ
今からおよそ100 年も昔。ライト兄弟が人類初の動力飛行機での有人飛行を成し遂げたわずか3年後の1906年。まだ家庭ではガス灯が使われた時代にGoldring(ゴールドリング)はハインリッヒとジュリアスのシャーフ兄弟によってドイツのベルリンで設立されました。
設立当初は主に時計や蓄音機の部品である、クロックワーク(ぜんまい)、モーター、スチール針の製造を請け負っていました。1920年にはオリジナルの蓄音機を完成。1933年にはイングランドのHertfordshire(ハートフォードシャー)に本社を移転し、1950年代からはオリジナルカートリッジの製造を開始しました。
近年、使用されるツールは伝統的な顕微鏡からコンピュータや電子顕微鏡に変わりましたが、微小な部品を全て手作業で仕上げるクラフトマンシップは変わっていません。レコードとアナログサウンドを知り尽くした100年にわたる歴史とノウハウ。常に先進的な技術を開発しながらも手作業にこだわり、ハイエンドからエントリークラスまで幅広いラインナップの高性能カートリッジを生み出し続けています。
商品説明
細部に至るまで贅を尽くしたGoldringのフラッグシップモデル。
高度に研磨され、ローディストーションな特性を持つVital Fineラインコンタクト針、高純度無酸素銅を手作業によって丁寧に巻いたコイルが実現する新クロスシェイプ・アーマチュア。さらに軽量かつ高剛性なアノダイズ・アルミニウムボディ。前作Legacyの良さはそのままに、全方位でブラッシュアップが図られました。 特殊ブチルゴム複合材で制作されたダンパーが広範囲な周波数でのスムーズなレスポンスを可能にし、さらに軽量化 された硬質特殊合金カンチレバーとの相乗効果により、極めて高い精度で情報をピックアップ。ダイナミックさと繊細さを併せ持つ音楽表現を可能にし、レコードに刻まれた信号を、感動の音楽へと変換します。
傑作Legacyを超えられるのか。そんな不安を見事に払拭するGoldringの最高傑作をぜひ体験してください。
Legacy MCカートリッジは2009年の発売以来、Goldringのトップモデルとして、ロングセラーを続けてきました。およそ10年という長い年月ユーザーに選ばれ続けている理由はLegacyの完成度の高さに他なりません。高SN、高解像度でありながら、繊細さも目の覚めるような力強さも表現するこのカートリッジは、まさに”遺産”の名前に相応しいモデルでした。Legacy10年ぶりのモデルチェンジ。NEW Ethosに与えられた使命はLegacyを超えること。これは他社のどのモデルをライバルにするよりも難題であったに違いありません。
完成したニューフラッグシップは ”Ethos – 精神“ と名付けられました。これはLegacyを超えるという、新たな旗艦モデルにかけるGoldringの想いの現れでもあるのです。
Goldring GOL-1ジェネレーターは新たに開発されたEthosの中心部。正に核と言える技術です。もちろんLagacyのジェネレーター部も極めて素晴らしい周波数レスポンスを実現していましたが、さらに上のステージへステップアップするために大きく改良されました。その改良は多岐にわたっています。
a modified front pole shoe, – フロントポールシューの改良
a redesigned damper, – 新デザインのダンパー部
a new main screw, – 新しいメインスクリュー
a new pin block material, – 新しいピンブロック素材
a new cantilever, – カンチレバーの刷新
a new test and set-up procedure, – 新しいテスト・セットアップ方式
a new cross-shaped armature, – クロスシェイプ・アーマチュア(電機子)の採用
a new kozo paper dust cover, – 日本製”Kozo”ペーパー・カバー
新たに先端曲率半径8×35μmの特殊ラインコンタクト針を開発。スタイラスは非常に堅牢で軽量な硬質特殊合金カンチレバーによってジェネレーターに接続されています。
素材配合を見直す事によりさらなる軽量化を実現。新たに研究が進められ全長も従来よりわずかに延長されました。発電効率を引き上げる事に成功すると共に、トラッキングエラーの原因となる歪みを軽減し、状態の悪いレコードにおいてもトレーシング能力(追従性)が圧倒的に高まりました。コイルへの急激な加減速が抑えられる事にも繋がっており、安定性も大きく改善されています。 特殊ラインコンタクト針と新しい特殊合金カンチレバーによって、針先で読み取られた音楽信号を今まで以上に正確に発電コイルに伝える事が可能となったのです。
■ CROSS-SHAPED ARMATURE
アーマチュア(電機子)は一般的なスクエアタイプではなく、クロスシェイプ(十字型)タイプを新たに採用。クロスシェイプにすることで、実効質量を軽減させる事が可能となり、振動系の大幅な軽量化に成功しました。より確実に音溝との接触を保ちます。高い出力と優れたトレース能力を備えたEthosは30dBを超えるチャンネル・セパレーションを実現し、素晴らしいステレオ・イメージを再現します。
■ OPTIMISED SUSPENSION & NEODYMIUM MAGNET
Ethosのために開発されたサスペンション・ダンパーは、特殊ブチルゴム複合材で作られており、共振時でもサスペンション・システムを素早く減衰させる事に成功しています。最新のタイワイヤー・セットアップにより最適な張力がかけられ、カンチレバーは常に適切な状態を保つことができるのです。
ジェネレーターに使用される強力で軽量なネオジウム・マグネットは、前後ポールシューにより固定されており、そこから吊下げる形でクロスシェイプ・アーマチュアを配置。ギャップ内の磁場は完全に均一となります。また非常に軽量な日本製KOZOペーパーがダスト・カバーとして初採用されました。KOZO(楮/こうぞ)は和紙の主要原料であり、質量が軽い上に、共振も少ない理想の素材です。
■ ALUMINIUM BODY SHELL
ボディは新たにアノダイズ処理された航空機レベルの緻密なアルミニウム・ボディに変更されました。アノダイズ処理は超硬質な仕上げとエネルギー伝達スピードの向上に貢献。ジェネレーターを組み込む際、最低限のパーツで行えるように形状が見直されました。磁気回路をベースに据え付けるのではなく、ボディに直接ビスで貫通させているのも大きな特徴で、機械的な強度の向上に寄与しています。
■ PRODUCTION AND TOOLING
いかに素晴らしい設計を行っても、量産レベルでの質が伴わなければ、ユーザーが手にするカートリッジのレベルは下がってしまいます。Goldringは製造セットアップ用機材、測定機器を最新のものに変更。もちろん全てが特注品です。フラットな周波数レスポンス、正しいコンプライアンス、完全なチャンネルバランスと最小のクロストーク。そして正しい垂直トラッキングアングルと出力レベル。厳密な仕様に適合するように、最新機器を使用して、繰り返し細かく調整を行うことで、Ethosの圧倒的なパフォーマンスが得られるのです。
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仕様
●型式:MC型●再生周波数:35 – 18,000Hz ±2dB
●出力電圧:0.5mV ±1dB (1kHz 5cm/sec.)
●チャンネルセパレーション:30dB(1kHz)
●出力バランス:1.0dB(1kHz)
●針圧:1.5 – 2.0g(1.75g推奨)
●内部抵抗:4Ω
●内部インダクタンス:7.5μH
●負荷抵抗:100Ω
●負荷容量:100 – 1000pF
●スタチックコンプライアンス:25mm/N
●ダイナミックコンプライアンス:15mm/N(10Hz)
●スタイラス:Vital Fineラインコンタクト針(8×35μm)
●カンチレバー:硬質特殊合金
●コイル素材:高純度無酸素銅
●垂直トラッキングアングル:20°
●取り付け穴間隔:12.7mm
●重量:7.7g